パッヘルベルのカノン
こんにちは!講師の黒田です!
今回は誰もが知る名曲「カノン」について書いていきます。
「聞いたことない人はいない」と言えてしまうくらいにとても有名な曲ですが、
この曲の「原典」、つまり『作曲者が書き残した譜面』についてはあまり知られていないと思います。
作曲者はパッヘルベル。とても古い音楽家です。
音楽室に肖像画が貼られるとしたら端の方です。(あの肖像画達が果たして年代順なのか、ちょっとわかりませんが…)
「カノン」という曲の名前についてですが、僕達が思い浮かべる「題名」とは少し違います。
クラシックの世界では
曲の形式名称+番号
のような名前のつけられ方をよく見ます。
交響曲○番だとかピアノソナタ○みたいに
どれも曲の形式を表しています。
そして「カノン」という言葉も曲の形式の名称だったりします。
たった一つのメロディを軸にして(パート1)、そのメロディと同じものを時間差で(パート2)として演奏します。
小学生で習う「輪唱」とよく似ています。
※「輪唱」は全てのパートが完全に同じメロディが同じです。
つまり、
パート1が全て弾き終わった後に”遅れて”パート2が終わります。
今回のカノンではパート1の終了と同じ位置で全てのパートが切られてます。(なんと完璧なハーモニーで終わってます)
よって、カノンは完全に同じメロディではなくなります。
さて、たった一つのメロディラインをずらす作曲技法「カノン」
曲を構成するにはとても緻密な計算とハーモニーの理解が必要となってきます。
他にも「カノン」の題名で作曲した音楽家がいますが、パッヘルベルがこれ以上ない傑作を世に送り出しました。
これがパッヘルベルの「カノン」です。
もう「カノン」といえば
「パッヘルベルのカノン」という事で問題ないです。
制限も強いカノン構成はその後、なかなか登場することなく…。
自由度の高い作曲技法へと変わっていったようです。(バッハのフーガとか?そこまではあまり覚えてないです汗)
今回の僕の演奏もたった一つのメロディラインを弾き、それをずらして再生しています。
原典の「カノン」を再現に挑戦しています。
コントラバスで低音を補強。
後はパート1、パート2、パート3の三重奏。
たったこれだけですが、とても荘厳な演奏に聞こえます。
パッヘルベルのカノンがいかに作り込まれているかがわかります。
それぞれのパートを左右と真ん中に音を振り分けたので、ぜひイヤホンでも楽しんでみてください。
ちなみに
ポップスでも使われる有名ないわゆる「カノンコード進行」
実は原典にはなく後付けなんですね。
コードではなくメロディを計算し作られた結果、コード進行が聞こえるということなんでしょうね。