芸術に人生を懸けた10年間「ゴッホ」

こんにちは!講師の黒田です。

先日、兵庫県立美術館の特別展である「ゴッホ展」へ行ってきました。


音楽も絵も同じ芸術。芸術に人生を懸けた生き様、情熱。オススメなのでご紹介します。

ゴッホ展は僕が小学生の頃にも神戸にやって来ています。


当時、僕はゴッホという名前の響きが好きなだけでしたが、親に展覧会へ連れて行ってもらい初めて目にした時は圧倒されました。


買ってもらった「ローヌ川の星月夜」の複製は今でも家に飾っています。


かなり色褪せてしまってますが…


さて今回の展覧会ですが、僕にとっては目玉となる絵がなく、ゴッホの絵も少なそうであまり期待していませんでした。


観に行ってみるとゴッホの芸術人生を垣間見ることが出来、とても満足できました。


これは初めて知ったのですが、ゴッホは27歳で絵を描き始め、それから10年後に亡くなっています。


絵を描いた期間はたったの10年だけ。


その情報だけでしたら、やっぱり生まれ持った才能、天才か…と思ってしまうのですが、どうやら違います。


展覧会には初期の作品も展示されているのですが、この作品達を是非見ていただきたいです。


初期の絵ですが、素人目に見てもあまり上手な絵とは言えません。


デッサンは崩れ、描かれた人は棒立ちで動きがない…。


ゴッホですらスタートラインは他人とそう変わらない、そう僕は感じました。


なにが違ったか?


向上心と勤勉さ、そこから作り上げた環境だと僕は考えました。


僕のイメージでは「ゴッホとは孤高の存在」だったのですが、絵を描き始めてから直ぐに多くの画家と積極的に交流していたそうです。


自ら足を運び、手紙を書き、多くの年上の画家達に助言を求めたり共同制作を持ちかけたり。


美術学校や画家のアシスタントを経験してからではなく、プロで活躍している画家との交流を通じて勉強をしてきた様です。


それは荒波に飛び込むようで、普通なら心折れます。


展覧会を回っていると、その尋常じゃない忍耐力と試行錯誤が見えてきます。


他の画家から影響を受けるたびに、その技術を自分の絵に取り入れて描き、また他の画家から影響をうけては描き、その連続でした。


展示の最後にはゴッホの歩んだ芸術人生が行き着いた作品達が展示されています。


そして展覧会は、ゴッホが自らをピストルで撃ち抜く4日前、弟のテオに書きかけていた最期の手紙の一文で締めくくられていました。


「そうだ、僕は絵に命を懸けた。そのために半ば正気でなくなっている。それも良いだろう」

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